kurutakunの日記

ミトコンドリア病闘病中と小さな山

そして、告知。

ここからは、彼女…小春にとって
かなりきつい話になると思う。

あ、そうそう。

僕は、普段彼女のことを【春】って
呼んでたんだ。

君は、僕のこと、【裕】とか【裕ちゃん】
って呼んでたね。

これから話すことに、少し僕から
お願いがあるんだ。

もし、このことに目を通している
あなたに。


けして、可哀想ではないこと。

そして、彼女…。


小春が、なにを感じたか。


ほんの少し考えて欲しい。



そして、僕たちはその耳鼻科へと向かった。


先生が、いつになく、厳しい顔つきをしている。


僕は、一瞬春のことを忘れ生唾を呑み込んだ。


そして、ゆっくり先生は口を開いた。


この間の検査結果ですが、MRIの結果
小脳の萎縮がみられました。


おそらくは、


この病気だと思われます。



【ミトコンドリア脳筋症】


二人して、見せてくれた医学書みたいなのを
覗きこんだ。


乳幼児に発生率高い。

生存率は極めて薄い。


糖尿病を併発しやすく、低身長
痩せ。などが特徴。

感音難聴を伴いやすく、疲れやすい。


あ、あの…。


これって…。


治るんでしょうか?


僕はなんとか声を絞り出した。



暫しの沈黙がいやな空気にかわる。


おそらくは、治りません。


治療方法は確率されてません。


次回からは、神経内科を受診してください。


春は、静かに涙を流していた。


僕は、必死に涙を堪えた。


外に出ると、青空が残酷な気もしたよ。


君に。


泣くな。


なんて、言えなかった。


病気は、受け入れなきゃならないのか。


なあ…。


お母さん…。


あなたは、受け入れられた?


目の前で、告知されて。


僕は、涙を流す君の傍にいるしか出来なかった。


茫然としてたんだ。


これは、現実なのか?


夢であって欲しかった。


お花畑の真ん中で、春が笑ってる。


お花…。


僕は、現実か夢か頭のなかで右往左往していた。


桜が、悲しく見える季節だった。


家に着いても、春は涙が止めどなく
ながれていた。


僕は、心が音を立てたように、
ズキッと痛かった。


なんで…。


頭のなかが、真っ白だったんだ。


わかるかい?


こんな気持ち。


どうしてやることも。


言葉を探しても、


探しても、みつからない。