kurutakunの日記

ミトコンドリア病闘病中と小さな山

それから。

ここからは、私…小春がお話させて頂きます。

そして、家族歴を調べる為に、
筋生検と呼ばれる組織検査が始まった。

処置室とは、名ばかりの簡易手術みたいだった。

メスをみたとき、ぐっと何かが流れるように感じた。

怖いよ…。

裕ちゃん。

なんで、こんなときに仕事なんだよ‼
と訳のわからない八つ当たりにならなくても
なにかに当たりたかった。


そして、麻酔薬がかけった。

部分麻酔薬って意識ははっきりしてるんだね。

チクりと、刺さる痛みと微かな声が漏れてた。

痛くて痛くて、我慢しても涙が。

大粒の涙が、床にポタリと落ちた。


頑張って。

看護師さんが、ずっと手を握ってくれていた。


温かい手だったなあ。


裕ちゃん。


裕ちゃん…。


なんとか、終わった…。

そこで気力を使い果たしたみたいにふっと
力が抜けた。


麻酔薬の切れかけが、一番痛いって聞いたことあるんだけど。


無意識に、叫んでたらしいの。


痛い。

痛いって。


恥ずかしいね、いま思うとさ。



けど、その時は必死だったかもしれないよ。


同じ病室の人が、看護師さん呼んでくれて。
痛み止めが追加された。


やっぱり、なんて言うんか…聞いたことない
病気に立ち向かえる人なんてないのかもね。


これから起こることも。

いくつ季節を重ねるのかも、わからない。

心と、身体はたぶん別々。

ね、裕ちゃん。

ホントは、こんなときに仕事でホッとしたんじゃない?

観てる方にも、揺れる感情があるんだよね。

そういうの、案外バレてんだよ。